お酒ができるまで

伝統の手づくりの技と、最新鋭の技術が一体となった広陵蔵。

当蔵の酒づくりは代々「南部杜氏」があたっています。

杜氏・三代目 下坂正幸の酒づくりの哲学を生かし、

人にしかできない高度な仕込み工程には手づくりを生かし、

機械に代替できる部分はコンピューターに

杜氏の技術をプログラミングして、手づくりに遜色のない

自動化を図っています。


広陵蔵製造ライン

@玄  米  

 酒づくりに適した米とは、大粒で心白が大きいこと、よく溶ける軟質性であること、たんぱく質や脂肪分が少なく、吸水性が高いことがあげられます。

  ◆ 広陵蔵では、岡山産の備前雄町、岡山あけぼのや兵庫県産の山田錦など、酒づくりに最適のお米を用いています。

  ●玄米自動タンク(10t/1本:10本)

     

A精  米   

 お米の外側には、酒づくりに適さないたんぱく質や脂肪分が含まれており、これらを削り取るために玄米からその重量の30〜60%程度削り取ります。

  ◆ 広陵蔵では、コンピュータ制御の全自動精米機で、季節や米の銘柄に合わせた最適の精米を行っています。

   ●全自動精米機(10t/日)

B白  米        

  ●全自タンク(3t/1本:28本)

C枯  し  

 精米が終わった米は、約1ヶ月間(銘柄や精米歩合によって異なる)寝かされます。これは精米によって失われた水分を取り戻し、摩擦熱を逃す役割があります。       

  ●自動精米調質機(1.2t/時)

D洗  米  

 お米に付着した糠を取り、きれいにします。

  ◆ 大吟醸用の白米は全て手洗いで行われます。

  ● 水輸送処理  

      

E浸  漬  

 洗米の済んだ米に良い蒸米をつくるため必要なだけの水分を吸収させる工程。米の品質や精米歩合、造うとする酒質、また季節によっても水にひたす時間が異なります。

  ◆吟醸用の白米では数秒単位の限定吸水を行います。       

  ●白米自動浸漬機(1t/1本:10本)        

   白米の吸水時間をコントロール。

F蒸  し    

 米の澱粉質を麹の酵素が分解しやすい型(α化澱粉)にするため、白米を蒸します。

  ◆ 回転コシキ(1.5t)

  ● 連続自動蒸米機(1.5t/時)

    白米の内容により蒸米時間をコントロール。

G放  冷  

 蒸された米(約100℃)を、すばやく麹つくり、酒母、もろみの掛け米に適した温度に冷やす。

  ● 自動放冷機(80〜5℃/分)

    100℃の蒸米を用途により自動的に冷却コントロールする。

H 麹     

 「1麹、2A、3醪」と言われるように酒づくりの要諦ともいうべき麹をつくる工程。麹にはたくさんの酵素が含まれています。お米の澱粉を分解してブドウ糖をつくったり、糊状の醪を液状にしたり、また、清酒の旨味成分も麹の酵素から産まれます。この麹は、温度と湿度を調整した麹室で、蒸米に種麹菌を植え付け、蒸米の品温、水分量を微妙に調整しながら、約2日間かけてつくり上げます。

  ◆ 吟醸 蓋麹法・床麹法

  ● 自動製麹(700kg/日)

    全自動コンピューター制御で麹をつくる。

    

I酒母(もと)    

 酒母は、酵母という微生物を大量に増やし育てたお酒の素のことで、雑菌の繁殖を防ぐ多量の乳酸をも含んでいます。酵母は糖分を分解してアルコールにするのが主要な役割です。酒母は伝統的な言い方では「もと」にあたります。酒母の育成方法にはいろいろな形がありますが、広陵蔵では、速醸酒母を主に採用しています。生育期間は約14日を要します。酒母の育成方法には、自然にまかせた伝統的な生もと系酒母や、より安全に優良酵母を多量に増殖させる速醸系酒母など、いろいろあります。

  ◆ 速醸酒母(生育期間 約14日) 山廃酒母(生育期間 約30日)

  ● 超速酒母(1本/2日)

    通常2週間かかる酒母を2日で超速醸造させる。

J発酵(醪)・・・並行複発酵    

 いよいよお酒づくりの最大の山場です。麹による澱粉の糖化と酵母による発酵を、同じタンク内で平均25日かけて同時に行います。発酵とは、酒母に麹と蒸米、水を3回に分けて仕込む日本酒独特の方法で三段仕込みといいます。1日目を初添え、2日目は踊りといい、仕込みをせず酵母の増殖を見守ります。3日目は仲添え、4日目を留添えといい、合計3回の仕込みを行います。3回に分けることで酵母や乳酸が一気に薄まるのを防ぎ、雑菌の侵入によって発酵が失敗しないようにしています。

  ● 自動発酵製造機(3t/日)

   21日25日かけて、自動で発酵管理(醪管理)する。

K上 槽  

 発酵工程を終え、白く濁った醪を清酒と酒粕に分離することを上槽といいます。いつ上槽の工程に入るかは、酒の種類、タンクによって千差万別。タイミングを誤ると、目的の酒質が得られなくなってしまいます。杜氏が発酵具合や味、香り、アルコール度数などを見て、総合的に判断しますから、杜氏の腕の見せ所でもあります。

  ● 自動上槽機(1本/日)

    醪を自動的に注入し、酒と粕を分離する。

Lお り 引 き  

 搾られたばかりのお酒はまだ澱粉粒子や酵母などが混じり白く濁っていますが、タンクに10日ほど静置すると、しだいに滓が沈殿します。この滓を取り除く工程をおり引きといいます。

M濾  過    

 おり引き後の酒にもまだ微細な粒子が残っています。これが、雑味や不要な色味のもとになるため、フィルターを通して取り除きます。

N火 入 れ   

 生まれたばかりのお酒の中には麹から抽出した酵素や雑菌が含まれています。これらのはたらきを止め、後々の腐敗や変質を防止し、香味の熟成調整をするための加熱殺菌を火入れといいます。この火入れを行わないお酒が生酒です。

     

O貯  蔵    

 味と香りの熟成のため、火入れした酒をタンクに入れ貯蔵します。貯蔵熟成中は、温度管理に気を配り、時折タンク内の酒を取り、品質、熟成度合いのチェックをして、品質管理を行います。  ●長龍では貯蔵温度を年間を通して15度以下にて管理


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